Works

Os house  2022.04.12

Concept

沖縄本島北部に建つ邸宅。周辺は閑静な住宅街で街並みを通して遠くに海を臨める高低差のある敷地である。全国でも有数の移民県と呼ばれている沖縄の移民の歴史は1890年代この町でスタートし、この地にルーツを持つ旦那様と奥様が出会い3人のお子さん達と暮らす住宅である。

傾斜している敷地に合わせ、高い道路レベルから平屋となるよう居室を配置し、低い道路レベルからは駐車場と居室空間の2層建てとなっている。

沖縄の伝統的な民家の要素を採り入れ、玄関という空間はあえて無くし、庭を通してリビングや和室で直接人を迎え入れた沖縄のあたたかなおもてなしの空間をもつ住まいである。東から南にかけて接道しているため、東側に表座空間、西側に裏座空間を配置し、古民家特有の明確なゾーニングを回廊型の廊下で繋げ、西側には裏座にあたる寝室から繋がる畑が広がっている。

リビングを3mの広庇テラスと中庭で挟むことにより、内部と外部の境界を曖昧にし、室内に心地よい涼風と光、自然を採りこむ。空を臨む階段、杉板本実型枠仕上げの美しい壁を照らすスリットスカイライトは、屋内の至るところで自然を感じ、日常生活の中で高揚感を生み出す仕掛けとなっている。戦後沖縄で発展してきたRC造で磨かれてきた高いレベルの型枠職人の技によって支えられているデザインである。
沖縄の自然や培ってきた文化を豊かに享受できる空間創りを目指した。

人は記憶に頼って生きていく生き物である。活力ある未来も確かな記憶なくては描けない。
時代を映し出すことで時代を超え、先人の想い、先人が支えてきた歴史、希少な職人の手仕事を次世代に継承してゆきたい。

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Os house